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獣医師生涯研修事業Q&A 公衆衛生編

獣医師生涯研修事業Q&A 公衆衛生編(日本獣医師会雑誌 第78巻(令和7年)第3号掲載)

質問1:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)の規定において,獣医師が診断した場合に保健所に届出を行わなければならない感染症名と動物の組み合わせは次のうちどれか.

  • a.ペスト,ウサギ
  • b.細菌性赤痢,サル
  • c.重症熱性血小板減少症候群(SFTS),ネコ
  • d.重症急性呼吸器症候群(SARS),フタコブラクダ
  • e.結核,鳥類に属する動物

質問2:感染症法の規定で原則として輸入が禁止されている動物は次のうちどれか.

  • a.キツネ
  • b.トゲネズミ
  • c.アライグマ
  • d.ヤマアラシ
  • e.イタチアナグマ

解答と解説

質問1に対する解答と解説:
正解:b
感染症法の規定において,獣医師が診断した場合に保健所に届出を行わなければならい感染症名と動物の組み合わせは,以下の通りとなっている.

a.×
ペストについてはプレーリードッグが対象動物となっている.

b.〇
細菌性赤痢の対象動物はサルである.

c.×
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)については現時点で届出の義務はない.しかし,本症に罹患したネコやイヌの排泄物や唾液中にはSFTS ウイルスが排出されるので,伴侶動物において本症を診断した獣医師は,保健当局との密接な連携が必要である.

d.×
重症急性呼吸器症候群(SARS)の対象動物はイタチアナグマ,タヌキ及びハクビシンである.なお,中東呼吸器症候群(MERS)に罹患したヒトコブラクダを診断した場合は,届出が必要である.

e.×
結核の対象動物はサルである.


質問2に対する解答と解説:
正解:e
感染症法の規定において,輸入が原則として禁止されている動物は,イタチアナグマ,コウモリ,サル,タヌキ,ハクビシン,プレーリードッグ及びヤワゲネズミである.

a.×
キツネは,感染症法における輸入禁止動物ではないが,狂犬病予防法において輸出入検疫の対象動物となっている.

b.×
トゲネズミは,輸入禁止動物ではない.ヤワゲネズミは輸入禁止の対象動物である.

c.×
アライグマは,感染症法における輸入禁止動物ではないが,狂犬病予防法において輸出入検疫の対象動物となっている.

d.×
ヤマアラシは輸入禁止動物ではない.

e.〇
イタチアナグマは感染症法における輸入禁止動物である.


キーワード: 感染症法,届出,感染症,動物,輸入禁止