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仕事をとおして都民の皆さんの健康維持・向上に結びついていることに
責任とやりがいを感じています。

東京都福祉保健局 健康安全部 食品監視課 食鳥検査担当

出身大学:
宮崎大学
卒業年次:
平成元年(1989年)
現在の所属:
東京都福祉保健局 健康安全部 食品監視課 食鳥検査担当

卒業後現在までの略歴

平成元年
東京都入都
衛生局芝浦食肉衛生検査所検査課 配属
平成5年
衛生局島しょ保健所三宅出張所生活環境係
平成7年
衛生局食品環境指導センター食品監視第一課(主任)
平成9年
衛生局生活環境部食品保健課規格基準係(主任)
平成12年
衛生局生活環境部獣医衛生課乳肉水産係(次席)
平成14年
健康局村山大和保健所生活衛生課食品・獣医衛生係(次席)
(平成15年1月から平成16年3月まで産休・育児休業)
平成16年4月
復職
健康福祉局多摩府中保健所生活環境安全課食品衛生第一係(次席)
平成17年
福祉保健局動物愛護相談センター相談指導係(次席)
(平成17年9月から平成19年3月まで産休・育児休業)
平成19年4月
復職
平成20年
福祉保健局動物愛護相談センター指導監視係(次席)
平成22年
福祉保健局動物愛護相談センター多摩支所相談指導担当係長
平成23年
福祉保健局動物愛護相談センター多摩支所飼養相談担当係長
平成24年
福祉保健局健康安全研究センター広域監視部食品監視第二課
食品機動監視担当係長
平成27年
福祉保健局健康安全部食品監視課食鳥検査担当(課長代理)

東京都公務員を志望した理由を教えてください。

学生時代は獣医外科学研究室に在籍しており、臨床獣医師と公務員のどちらを選ぶか迷いました。公務員(獣医職)を選んだ理由は、専門知識や技術を活かすことができるとともに、いち早く経済的に自立し、女性が広く社会的に貢献できる職業であると考えたことです。当時からすでに女性の公務員獣医師はたくさん活躍していましたし、将来的に子育てと仕事の両立がしやすい福利厚生制度も魅力的だと感じました。

公衆衛生獣医師のお仕事内容を教えてください。

公衆衛生獣医師の主な仕事内容は以下の通りです。

  • (1)食品衛生監視:食品営業施設の許可・監視指導、食品検査、食中毒調査など(検疫所、保健所、市場衛生検査所等)
  • (2)と畜検査・食鳥検査(食肉衛生検査所等)
  • (3)試験・検査:食品の細菌、食品添加物、残留農薬、抗菌性物質等の検査(検疫所、衛生研究所等)
  • (4)動物由来感染症の予防、動物愛護管理:犬やペットの保護収容、ペットショップ等の登録・監視指導、トラやライオンなど特定動物の飼養許可・監視指導(動物保護センター等)
  • (5)環境衛生監視:理美容業、宿泊施設、公衆浴場、プール、墓地等の許可・監視指導、水道関係施設、大規模なビルなど特定建築物の届け出、化製場・畜舎の許可・監視指導(保健所等)
  • (6)事業計画の企画・立案・進行管理、国や他の自治体等との連絡調整(本庁)

私が現在担当しているのは(6)の業務です。私の役目は、東京都の食品衛生に関する計画立案や、その進行管理のため関係各所への連絡です。私は食鳥検査担当ですので、鶏肉の安全を守るための管理・指導を主に行っており、これは獣医師資格が必要な業務となっています。

公衆衛生獣医師のやりがいはどんなところでしょうか?

現在の仕事はデスクワークなので直接動物に接したりすることはありませんが、自分の仕事が都民の健康の維持向上に直接結びついていると考えると、やりがいを感じます。近年はとりわけ都民の「食の安全」に対する関心が高まっており、未然に食中毒などのトラブルを防ぐことは私たちにとって大きな意味を持つミッション。ミスが大きな事故につながる可能性もあるので、責任感を持って仕事に取り組んでいます。

公務員獣医師の場合、様々な部署を経験することになると思います。中でも特に印象に残っている仕事を教えてください。

様々な部署で働くことで幅広い業務を経験できることは、公務員獣医師ならではの魅力だと思います。特に印象に残っているのは、以前配属されていた動物愛護センターでの仕事。飼い主が見つからない犬を保護し、新しい飼い主とのマッチングを行ったり、動物の飼養方法に関する講習会を開いたりしていました。もともと動物が好きだったので、いい飼い主さんに犬が引き取られていくと嬉しく思いましたし、講習会を受けた方から「犬のしつけがうまくいくようになった!」と喜んでいただけたときにも達成感を覚えましたね。

出産後の職場復帰について、苦労されたエピソードがあれば教えてください。

最初の出産後に復職したときには、長女が頻繁に病気にかかり、ほとんど職場に行けなくなるという時期がありました。仕事中に保育園から電話で「熱が出たので迎えに来てください」と連絡を受けることもよくありましたし、熱が収まるまでの数日間は仕事を休まなくてはならなくなります。職場の仲間に迷惑をかけるのが申し訳なく、一時はもう仕事を辞めようかとも迷いました。

育児と仕事の両立を、どのように実現されたのですか?

一時は退職も考えた私を助けてくれたのは、育児経験がある先輩方でした。どうすればいいか相談してみたところ、、「私のときもそうだったから、大丈夫だよ」「大変なのは一時期だけだから」と励ましていただき、「困っているときはお互い様」と仕事面でカバーしていただけたおかげで、何とか苦しい時期を乗り越えることができました。最近では逆に、私が後輩の女性の相談に乗ることもあります。今も家事の時間を十分とれているとは言えないかもしれませんが、子どもたちは二人とも私の姿を見て「私も獣医師になりたい」と言ってくれています。今となってはやはり仕事を続けてよかったな、と思えますね。

これから獣医師を目指す学生さんや、現在活躍中の女性獣医師のみなさんに伝えたいメッセージをお願いします!

公衆衛生獣医師は、各種休暇や福利厚生が充実しており、自分の専門知識や技術を活かしながらワーク・ライフ・バランスがとれた働き方ができます。性差による不利益を受けることもないので、女性にとって働きやすい職場だと思います。仕事も家庭も趣味も充実させたい方は、ぜひ、公衆衛生獣医師を目指してください!